名著史

世界史に影響を与えた本。世界歴史の主な出来事と、世界文学史を記述した名著年表。

古代中世近世近代現代
BC3000 シュメール都市国家成立
シュメール人が、メソポタミアで都市文明を最初に生み出した。民族系統不明。
ギルガメシュ叙事詩
…ギルガメシュ王の冒険の物語。女神イシュタルの誘惑を振り切ったり、不死の薬草を求めて旅をする話。世界最初の物語とされる。
『アヴェスター』
…ゾロアスター教の聖典。
前8世紀頃~
イリアス』ホメロス(ギリシア)
…トロイ戦争の英雄叙事詩。
オデュッセイア』ホメロス(ギリシア)
…知将オデュッセウスが、妻の待つ故郷に帰る冒険譚。
BC753 ローマ建国
イタリア中部の都市国家から出発し地中海全域を支配する帝国の首都に発展した。ローマ教会成立後は、キリスト教世界の中心として、中世から現代まで政治、文化の重要都市として続いている。
『神統記』ヘシオドス(ギリシア)
…神の起源と系譜を語った叙事詩。
労働と日々』ヘシオドス(ギリシア)
…怠け者の弟に労働の尊さを説く教訓詩。
前5世紀頃~
三大悲劇詩人
『アガメムノン』アイスキュロス(ギリシア)
…トロイ戦争の総大将が凱旋帰国後、妻に殺害される悲劇。神々への信仰と道徳的理想を追求。
オイディプス王』ソフォクレス(ギリシア)
…父を殺し母と交わる運命のテーベ王オイディプスの悲劇。人間の運命・生き方。真理を追究。
『メディア』エウリピデス(ギリシア)
…夫に捨てられた妻メディアの復讐劇。人間の偉大さと悲惨さを追求。
論語』孔子(中)
…孔子と弟子たちとの問答を集録した書。性善説。
孫子』孫武(中)
…古今東西の兵法書のうち最も著名なものの一つ。孫武は戦争の記録を分析・研究し、勝敗は運ではなく人為によることを知り、勝利を得るための指針を理論化して、本書で後世に残そうとした。
BC492 ペルシア戦争
アケメネス朝ペルシア帝国とギリシア都市国家連合との戦争。オリエント的専制に対するポリス民主政社会の勝利。
歴史』ヘロドトス(ギリシア)
…ペルシア戦争の経緯を物語風に記述し、ギリシアの偉大な勝利の記憶を後に残すために著された。歴史の父。
BC431 ペロポネソス戦争
アテネとスパルタの対立から起こった長期にわたる戦争。
戦史』トゥキュディデス(ギリシア)
…ペロポネソス戦争の原因と経過を科学的に記述。
『女の平和』アリストファネス(ギリシア)
…ペロポネソス戦争でアテネを無残な敗北に導いた政治指導者を批判。
国家』『ソクラテスの弁明』『饗宴』プラトン(ギリシア)
二コマコス倫理学』アリストテレス(ギリシア)
…古代ギリシアの哲学者アリストテレスの著書を、息子のニコマコスらが編集した倫理学の古典的な研究である。倫理学の基本的な問題である「正しい生き方」を検討している。
BC334 アレクサンドロス東方遠征
東方遠征の理由は、古来、ペルシア戦争の復讐戦であるとか、大王の領土的野心、インド征服の夢など、さまざまな見解があるが定説はない。
『歴史』ポリビオス(ギリシア)
…政体循環史観。
『国家論』キケロ(ローマ)
…徳性により選ばれた第一市民による政治を理想とする。
ガリア戦記』カエサル(ローマ)
…ケルト人との戦いの記録。
アエネイス』ヴェルギリウス(ローマ)
…トロイの落武者アエネアスの地中海漂流譚。『オデュッセイア』のローマ版。
『叙情詩集』ホラティウス(ローマ)
変身物語』オヴィディウス(ローマ)
…ギリシア・ローマ神話の登場人物たちが様々なものに変身してゆくエピソードを集めた物語。中世文学やシェイクスピア、そしてグリム童話にも大きな影響を与えた。
『物の本質について』ルクレティウス(ローマ)
…エピクロス哲学の原子論的自然観を詳述。一切の現象を因果関係において把え,原子と空間から成る世界の自然法則を説明して現実の生を楽しむことを教えた。
BC27 ローマ帝政を開始
初代皇帝アウグストゥスの即位から、実質的には395年の東西分裂まで、形式的には1453年のビザンツ帝国滅亡まで存続したのが「ローマ帝国」、あるいは「帝政ローマ」である。
ローマ史』リヴィウス(ローマ)
…ローマ建国から始まって第三次マケドニア戦争までの歴史を叙述した歴史書。後にダンテによって評価されたことから、多くの歴史家によって参照された。リウィウスは本書の序章でローマの発展をもたらした指導者の活動がどのようなものであったのかを記録し、紀元前1世紀頃からの政情不安の原因である道徳的な腐敗を描き出すことを目指していると述べている。
『地理誌』ストラボン(ギリシア)
『英雄伝』プルタルコス(ギリシア)
…ギリシアとローマの英雄を対比。
『ゲルマニア』タキトゥス(ローマ)
…原始ゲルマン人の合議制や道徳性を理想として描き、当時のローマ社会を批判。
生の短さについて』セネカ(ローマ)
『博物誌』プリニウス(ローマ)
自省録』アウレリウス(ローマ)
…ローマ皇帝で五賢帝の一人、マルクス・アウレリウス・アントニヌスが書いた哲学書。
史記』司馬遷(中)
…黄帝から武帝までを記す。紀伝体。史書の基本形となる。
紀元後 キリスト教の広がり
イエスの教えを、使徒が継承発展させ、キリスト教団を組織、パウロなどが教義を体系化し、世界宗教に転化させ地中海世界に広がった。その後、西欧世界の精神世界を支配するに至り、東西分裂、教皇庁の分裂、宗教改革などを経て、なおも文化、社会、政治に強い影響力を保っている。
90? 『旧約聖書』
…ユダヤ教の聖典。
1C『新約聖書』
…イエス・キリストとその弟子たちの事績を伝える記録。
2C『天文学大全』プトレマイオス(ギリシア)
…地球中心の天動説を主張。
325『教会史』エウセビオス
…皇帝は神の代理人であるとする神寵帝理念を唱える。
354『神の国』アウグスティヌス
…西ゴート族のローマ劫掠に際し、キリスト教を擁護。
354告白録』アウグスティヌス
…若き日の放縦と異教信仰よりの回心の自伝的文学。
395 ローマ帝国の東西分裂
4世紀末のテオドシウス帝の死後、東西に分裂し、ラヴェンナ・ローマを中心としてイタリア半島とその周辺を支配する西ローマ帝国と、コンスタンティノープルを中心として東地中海・バルカン半島・小アジアを支配する東ローマ帝国とが成立した。
476 西ローマ帝国滅亡
ゲルマン人の傭兵隊長オドアケルによって滅ぼされる。古代が終わり、中世が始まりを告げる。
534『ローマ法大全』トリボニアヌス(ローマ)
…ローマ法の集大成。過去の重要な法学者の法解釈・学説を整理。
7C『コーラン』
…イスラム教の聖典。唯一神アラーの言葉をまとめたもの。
712古事記』太安万侶(日)
…日本最古の歴史書。
720『日本書紀』舎人親王(日)
…奈良時代に成立した日本の歴史書。日本に伝存する最古の正史で、六国史の第一にあたる。
759万葉集』大伴家持(日)
…奈良時代末期に成立したとみられる日本に現存する最古の和歌集。作者層は天皇から農民まで幅広い階層に及ぶ。日本の元号「令和」は、この万葉集の「巻五 梅花の歌三十二首并せて序」の一節を典拠とし、記録が明確なものとしては日本史上初めて元号の出典が漢籍でなく日本の古典となった。
800 カール大帝の戴冠
ローマ教皇からフランク王国カールがローマ皇帝の冠を戴いた。カールの戴冠によって「西ヨーロッパ世界」が成立。
1001枕草子』清少納言(日)
…『源氏物語』に比肩する中古文学の双璧として、後世の連歌・俳諧・仮名草子に大きな影響を与えた。鴨長明の『方丈記』、吉田兼好の『徒然草』と並んで日本三大随筆と称される。
1008源氏物語』紫式部(日)
…平安時代中期に成立した日本の長編物語、小説。主人公の光源氏を通して、恋愛、栄光と没落、政治的欲望と権力闘争など、平安時代の貴族社会を描いた。
1096 十字軍派遣はじまる
11世紀末~13世紀末までのキリスト教世界の膨張運動の一つ。東方貿易の活発化、イスラーム文化の流入など、中世ヨーロッパ社会を大きく変動させる一因となった。
11C『ニーベルンゲンの歌』(独)
…英雄ジークフリートの死と、その妻クリームヒルトの復讐。
12C『ローランの歌』(仏)
…カール大帝のイベリア遠征が題材、カールの甥ローランの戦死を悼む武勲詩。
12C『アーサー王物語』(英・仏)
…ブリタニアに侵攻するアングロ・サクソン人に対する先住のケルトの英雄アーサー王と円卓の騎士の伝説。
1265『神学大全』トマス・アクィナス(伊)
…神の存在と教会の正当性を論証する大著として、後世のキリスト教に大きな影響を与えた。
13世紀 製紙法がヨーロッパに普及
中国の後漢で発明改良後、751年のタラス河畔の戦いでイスラム世界に伝えられ、12世紀にイスラム支配下にあったスペインに伝わった。ヨーロッパにおいて中世では羊皮紙が使用されており、羊皮紙は価格が高く一般の庶民に書物が普及することはなかったが、製紙法が伝わり、印刷術が知られるようになった14世紀には、書物が普及し、知的水準を一挙に高めた。
14世紀 ルネサンス
14世紀のイタリアに始まり、15世紀に最も盛んとなって、16世紀まで続いた、ヨーロッパの文化、芸術上の動き。ルネサンスの意義は、封建社会と神中心の世界観の束縛から、人間性の自由・解放を求め、ヒューマニズムと個性を尊重という近代社会の原理を生み出したこと。ペトラルカ(伊)が人文主義を提唱し、神中心から人間中心へ。
1300?『世界の記述(東方見聞録)』マルコ・ポーロ(伊)
…マルコ=ポーロが著した東方への旅行記。その詳細な記録は、ヨーロッパに初めて中国とその周辺の諸国を知らせることとなった。特に日本の存在は、ジパングという名で初めてヨーロッパに伝えられた。
1304神曲』ダンテ(伊)
…古代の詩人ヴェルギリウスの案内で、地獄・煉獄・天国を巡る叙事詩。ラテン語(知識人の言語)でなく、トスカナ語(庶民の言葉)で執筆。1321年完成。
1347 ペスト大流行
アジアからヨーロッパにかけてペストが大流行し、封建社会の変質をもたらした。黒死病の大流行による人口の激減は、生き残った農民の待遇を良くすることとなり、農奴解放がさらに進むこととなる。
1348デカメロン』ボッカチオ(伊)
…ペスト大流行を背景に避難所の男女10名の語る物語。教会の腐敗を風刺。1353年完成。
1387カンタベリ物語』チョーサー(英)
…イギリス版デカメロン。1478年出版。
1440? グーテンベルク活版印刷術の発明
後の宗教改革に威力を発揮。ルターの所説が活版印刷によりドイツ各地に広がる。
1453 ビザンツ(東ローマ)帝国滅亡
オスマン帝国軍によって首都を攻略されて滅亡した。ビザンツ帝国が滅亡したことによって、コンスタンティノープルの多くのギリシア人の学者や芸術家が、イタリアのフィレンツェなどに亡命し、ギリシア・ローマの古典文化の神髄を伝えたことである。すでに始まっていたルネサンスにとって、これは大きな刺激となった。
※ギリシア化した東ローマ帝国をビザンツ帝国と呼ぶ。
1492 コロンブスが西インド諸島に到達 大航海時代
インド航路や新大陸発見などの世界の一体化が進んだ時代。アジアに対する知識の拡大、遠洋航海術の発達、香辛料の需要の増大、キリスト教布教熱の高揚による。
1494 イタリア戦争
1559年まで。イタリアをめぐるフランスと神聖ローマ帝国の戦争。軍事革命といわれる戦争形態の変化をもたらし、また主権国家の形成を促し、近代を準備した戦争と見ることができる。
1494『算術大全』ルカ・パチオリ(伊) 会計学の祖
…複式簿記の原理を初めて記す。
1509愚神礼賛』エラスムス(ネーデルラント)
…カトリック教会の腐敗を風刺。
1513君主論』マキャベリ(伊)
…権謀術数を説き、政治を道徳・宗教から切り離す。1532年出版。近代政治学の祖。
1516ユートピア』トマス・モア(英)
…当時の絶対王政のあり方をするどく風刺し、またエンクロージャーの進行する社会を告発した。
1517 宗教改革
ローマ=カトリック教会を批判したルターに始まるキリスト教の改革運動。社会変革と結びつくと共にキリスト教世界を二分する新旧両派の激しい宗教戦争を巻き起こした。
1517『95カ条の論題』ルター(独)
…ローマ教会の贖宥状販売などを批判した公開質問状。
→宗教改革の始まり
1532『ガルガンチュアとパンタグリュエルの物語』ラブレー(仏)
…巨大な自然児ガルガンチュアとその子パンタグリュエルの姿を通じた社会風刺。
1536『キリスト教綱要』カルヴァン(仏)
…福音主義に基づくキリスト教改革の理念を示した。
1543『天球回転論』コペルニクス(ポーランド)
…地動説を唱える。
→地球中心の天動説を克服
1568 オランダ独立戦争
旧教国スペインに対する北部ネーデルラントのカルヴァン派新教徒の反乱から始まり、ネーデルラント連邦共和国の独立に至った戦争。
1580エセー』モンテーニュ(仏)
…人間のあらゆる営為を断続的な文章で省察することによりモンテーニュは人間そのものを率直に記述しようとし、モラリスト文学の伝統を開いた。
1595ロミオとジュリエット』シェイクスピア(英)
…恋愛悲劇。
1603ハムレット』シェイクスピア(英)
…「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」の台詞で有名な、四大悲劇の一つ。
1604オセロー』シェイクスピア(英)
…四大悲劇の一つ。
1605ドン・キホーテ』セルバンテス(西)
…没落騎士の物語、没落に向うスペインを風刺。
1605ヴェニスの商人』シェイクスピア(英)
…中世イタリアのヴェネツィア共和国と架空の都市ベルモントを舞台に繰り広げられる商取引と恋の喜劇。
1606マクベス』シェイクスピア(英)
…四大悲劇の一つ。
1606リア王』シェイクスピア(英)
…四大悲劇の一つ。
1609『海洋自由論』グロティウス(蘭)
…覇権国家オランダの海上貿易を擁護。自由貿易を唱える。
→公海自由の起源
1618 三十年戦争
ドイツのキリスト教新旧両派の宗教内乱から、ヨーロッパの各国が介入して国際的な戦争となった。
1625『戦争と平和の法』グロティウス(蘭)
…三十年戦争の惨状を見て戦時法の必要を唱え、人類の平和維持の方策を模索。
→国際法の成立に大きな影響
17世紀 科学革命
ルネサンス・宗教改革に伴ってそれまでの神中心の世界観の重しが取り除かれ、大航海時代の展開によって圧倒的な知識情報量の増大がもたらされ、また主権国家間の抗争は戦争を通じて新たな科学技術の開発に迫られたという背景もあって、17世紀の自然科学の革新がもたらされた。
1637方法序説』デカルト(仏)
…理性を正しく導き、学問において真理を探究するための方法の話。
1638『天文対話』ガリレオ(伊)
…地動説を主張。
1642 ピューリタン革命
イギリスの絶対王政による国教会の強制に対するピューリタンの信仰の自由、特権的商人を保護する重商主義に対するジェントリ層の不満などが要因となって1642年に内乱が始まり、49年に王政が倒れて共和政が成立した革命。
1651『リヴァイアサン』ホッブズ(英)
…人民は政府に自然権を委譲していると考え、抵抗や革命は許されないとした。
1666人間嫌い』モリエール(仏)
…韻文喜劇。
1667『失楽園』ミルトン(英)
…旧約聖書の楽園追放の物語。
1670『パンセ』パスカル(仏)
…人間は考える葦である。
1677『エチカ』スピノザ(蘭)
…汎神論。自然界のすべてが神そのものである。
1680『家父長権論』フィルマー(英)
…王権神授説を展開し、王権を旧約聖書で人類の祖とされるアダムに由来する家父長権であると論じた。
1687『プリンキピア』ニュートン(英)
…アインシュタインが登場するまで物理学のバイブル。万有引力の法則。
1688 名誉革命
イギリス議会がジェームズ2世を追放し、オランダからウィレムとメアリを迎え、二人は「権利の宣言」を受けいれて国王となり、さらに「権利の章典」を制定した。これによって議会政治と国教会制度を柱とするイギリスの立憲君主政治が確立した。国王の交替が流血の惨事を伴わずに実現したことから、この変革を「名誉革命」という。
1690市民政府論』ロック(英)
…名誉革命を擁護。王権神授説を批判。フィルマーの王権神授説を批判した一編と、市民政府を論じた一編からなる。特に後者においてロックは、個人は相互に同意して自然権の一部を政府に委託して国家を作っているのであり、国家は人民の生命・財産・自由といった自然権を守る目的を持ち、その主権は人民にある。政府が人民の自然権を侵害することがあれば、人民には政府に抵抗し、それを覆す権利がある、と主張。抵抗権(革命権とも言う)。
→ 革命権(人民の権利を侵害する主権者への抵抗は正当である)を主張 アメリカ独立革命にも影響
18世紀 啓蒙思想の流行
18世紀フランスに興った、従来の封建社会の中でのキリスト教的世界観に対して、合理的な世界観を説き、人間性の解放を目指した思想。その世紀末のフランス革命を思想面で準備しただけでなく、「王権神授説」などにかわる新しい支配体制を模索した絶対主義諸国の君主の政治思想にも影響を与えた。
1719ロビンソン・クルーソー』デフォー(英)
…絶海の孤島に漂着して一人で暮らす男の物語。主人公の姿は「資本主義的人間類型(自己責任と個人の努力を重んじる)」の典型。
1726ガリヴァー旅行記』スウィフト(英)
1733『哲学書簡』ヴォルテール(仏)
…時のフランスの体制を批判。
1748法の精神』モンテスキュー(仏)
…英立憲制を模範。基本的人権保障の観点から三権分立を提唱。
→三権分立を提唱
1751『百科全書』ディドロ(仏)
…市民に理性を提供する。
1759『経済表』ケネー(仏)
…農村と宮廷の貧富の格差が起こる原因を明記。
1762『社会契約論』ルソー(仏)
…各個人は自由・平等である。人々の契約の目的は国家ではなく人民の共同体であるとした。
18世紀後半 農業革命
イギリスで産業革命と平行して起こった輪作法の普及などに伴う農村社会の変革。
農業技術も、それまでの伝統的な三圃制農業に代わって、ノーフォーク農法と言われる、四圃制農業(かぶ、大麦、クローバー、小麦を輪作する輪作法)が行われるようになり、穀物生産が増大し、産業革命による人口増加を支えることが可能となった。
1765 ワット蒸気機関改良 産業革命(第1次)
18世紀後半のイギリスに始まる、綿工業(木綿工業)での手工業に替わる機械の発明、さらに蒸気機関の出現とそれにともなう石炭の利用という生産技術の革新とエネルギーの変革。木綿工業から始まった技術革新は、機械工業、鉄工業、石炭業といった重工業に波及し、さらに鉄道や蒸気船の実用化という交通革命をもたらすこととなる。激しい社会変動を生みだし、資本家と労働者という社会関係からなる資本主義社会を確立させた。
1776.1コモン・センス』トマス・ペイン(英)
…アメリカの独立を当然の権利であり、必然であるとして正当化した。
→アメリカ独立戦争に大きな勇気を与えた
1776.3国富論』アダム・スミス(英)
…富の源泉は人間の労働であり、個人の経済活動を自由に放任することが富を拡大するとした。
1776ローマ帝国衰亡史』ギボン(英)
…古代ローマ帝国の衰亡を記述した歴史書の古典大作である。ウィンストン・チャーチル、ジャワハルラール・ネルー、アダム・スミス等の著名人が愛読した事でも知られる。
1776.7 アメリカ独立宣言
それまでのイギリスの圧政、悪政を告発し、平等、自由、幸福の追求などの基本的人権と圧政に対する革命権を認め、高らかに宣言したもので、アメリカ内部の王党派や、独立に反対する保守派に対して独立戦争の正当性を訴え、結束を強める目的を持っていた。
1789 フランス革命
ルネサンスに始まる人間解放の思想が宗教改革を経て、封建社会の教会や王権の絶対的権威を揺らぐなかで生まれたヴォルテールやルソーなどの啓蒙思想が直接的に影響を与え、またイギリス革命で形成された社会契約説やアメリカ独立宣言の革命権の思想がフランス革命に結実した。
古典主義(理想と調和、ギリシア・ローマが理想)
1774若きウェルテルの悩み』ゲーテ(独)
…青年ウェルテルが婚約者のいる身である女性シャルロッテに恋をし、叶わぬ思いに絶望して自殺するまでを描いている。出版当時ヨーロッパ中でベストセラーとなり、主人公ウェルテルを真似て自殺する者が急増するなどの社会現象を巻き起こした。
1782『群盗』シラー(独)
1808ファウスト』ゲーテ(独)
…15世紀から16世紀頃のドイツに実在したと言われる、高名な錬金術師ドクトル・ファウストゥスの伝説を下敷きとして、ゲーテがほぼその一生を掛けて完成させた大作である。1833年に完成。
1795永遠平和のために』カント(独)
…平和の問題が論考されている。
1798人口論』マルサス(英)
…人口増による食糧危機を予測。
1815 ウィーン体制
フランス革命とナポレオンによって生み出された自由と平等、国民の統一という革命理念を否定し、革命以前の絶対王政の支配権を復活させるための、反動体制。それに対し、自由主義・民族主義(ナショナリズム)が高揚する時代。1848まで。
1830 七月革命
フランスでブルジョワ共和派が復古王政を倒した革命。七月王政の立憲君主政が成立した。ウィーン体制を大きく動揺させた。
1832戦争論』クラウゼヴィッツ(プロイセン)
…軍事戦略を主題とする最も重要な論文のひとつとして、今日でも各国の士官学校や研究機関で扱われている。
ロマン主義(感情と個性、理性万能への反発)
1845『モンテ・クリスト伯』デュマ(仏)
…主人公エドモン・ダンテスが無実の罪で監獄に送られ、そこで長い年月を過ごした後、脱獄して巨万の富を手にし、モンテ・クリスト伯爵を名乗って自らを陥れた者たちの前に現れ、復讐する物語。
1850緋文字』ホーソン(米)
…ピューリタン社会の非寛容性に抗して貫く愛の物語。
1851白鯨』メルヴィル(米)
…白いマッコウクジラ「モビィ・ディック」を巡る、数奇な体験手記。
1855草の葉』ホイットマン(米)
…自由と平等をうたう詩集。
1862レミゼラブル』ユーゴー(仏)
…1本のパンを盗んだたことをきっかけに、結果として19年間もの監獄生活を送ることになったジャン・ヴァルジャンの生涯を描く作品である。当時のフランスを取り巻く社会情勢や民衆の生活も、物語の背景として詳しく記載されている。
1884ハックルベリー・フィンの冒険』トウェイン(米)
…無邪気で幼い主人公と、ミシシッピ川沿いに住む人々や景色の精彩に富む描写、そして当時の人種差別への、真摯かつ痛烈な批判的姿勢によって、本書は知られている。
写実主義(人間・社会をありのままに描く)
1830赤と黒』スタンダール(仏)
…スタンダールの本作品は一時期の人々の精密な観察とその帰結の予測から成り立っており、フランスのリアリズム小説の出発点となった。また、階級闘争を通して人間を描写するという新しい小説観を打ち出した。青年の青春や恋愛を描いた作品ではあるが、背後には「少数の幸福な人」にむけたメッセージも含まれている。また、野心的な青年、ジュリアン・ソレルの目を通して来るべき革命(七月革命)を恐れながら堕落した生活を送る、王政復古下の聖職者・貴族階級の姿をあますところなく表し支配階級の腐敗を鋭くついている。
1835ゴリオ爺さん』バルザック(仏)
…作品集『人間喜劇』のうち「私生活情景」に収められた。1819年のパリを舞台に、子煩悩な年寄りゴリオ、謎のお尋ね者ヴォートラン、うぶな学生ウージェーヌ・ラスティニャックの3人の生き様の絡み合いを追う。
1847『猟人日記』トゥルゲーネフ(露)
…アレクサンドル2世の農奴解放に影響を与えた。
1856ボヴァリー夫人』フロベール(仏)
…田舎の平凡な結婚生活に倦怠した若い女主人公エマ・ボヴァリーが自由で華やかな世界に憧れ、不倫や借金地獄に追い詰められた末、人生そのものに絶望し服毒自殺に至っていく物語。
1859二都物語』ディケンズ(英)
…フランス革命期が背景。
1862『父と子』トゥルゲーネフ(露)
…ナロードニキ時代のニヒリストを描く。
1866罪と罰』ドストエフスキー(露)
…一般には、正当化された殺人、貧困に喘ぐ民衆、有神論と無神論の対決などの普遍的かつ哲学的なテーマを扱い、現実と理想との乖離や論理の矛盾・崩壊などを描いた思想小説の類に属するとされる。人間回復への強烈な願望を訴えたヒューマニズムが描かれた小説である。
1869戦争と平和』トルストイ(露)
…ナポレオン戦争が背景。
1880カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー(露)
…信仰や死、国家と教会、貧困、児童虐待、父子・兄弟・異性関係などさまざまなテーマを含んでおり、「思想小説」「宗教小説」「推理小説」「裁判小説」「家庭小説」「恋愛小説」としても読むことができる。
自然主義(社会矛盾を追及、人間の俗悪な部分も描く)
1877居酒屋』ゾラ(仏)
…パリの下層社会を描く。
1879人形の家』イプセン(ノルウェー)
…自立する女性を描く。
1883女の一生』モーパッサン(仏)
…主人公の少女ジャンヌが成長するにつれて人生における様々な不幸を経験していく様を描いた著者の代表作である。
19世紀後半 産業革命(第2次)
重化学工業が工業の主力になった変革。石油・電力が主力エネルギー源になった。これらの重化学工業と石油エネルギーの利用は莫大な資本を必要としたため集中・独占が進み、さらに資源や市場の獲得競争が激しくなって、帝国主義を生み出すこととなった。
1848『共産党宣言』マルクス(独)
…マルクス主義者による共産主義の目的と見解を明らかにした最初の綱領的文書。
1849『死にいたる病』キェルケゴール(デンマーク)
…実存主義の先駆。
1859『種の起源』ダーウィン(英)
…進化論についての著作。彼は自然選択によって、生物は常に環境に適応するように変化し、種が分岐して多様な種が生じると主張した。
1859自由論』ミル(英)
…当時のヨーロッパ、特にイギリスの政治・社会制度の問題を自由の原理から指摘することを試みた。
1867『資本論』マルクス(独)
…ドイツ古典哲学の集大成とされるヘーゲルの弁証法を批判的に継承したうえで、それまでの経済学の批判的再構成を通じて、資本主義的生産様式、剰余価値の生成過程、資本の運動諸法則を明らかにした。
1871学問のすすめ』福澤諭吉(日)
…文体は平易ながら、明治維新の動乱を経て新しく開けた新時代への希望と、国家の独立と発展を担う責任を自覚する明治初期の知識人の気概に満ち、当時の日本国民に広く受容された。おそらく近代の啓発書で最も著名で、最も売れた書籍である。
1891ツァラトゥストラはかく語りき』ニーチェ(独)
…後期ニーチェの重要な哲学的研究のひとつであり、19世紀末期におけるヨーロッパの没落を背景としながら、キリスト教的な理想に代わる超人の思想が展開されている。
1900武士道』新渡戸稲造(日)
…島国の自然がどのようなもので日本独特の四季の移り変わりなどから影響を及ぼされた結果、日本人の精神的な土壌が武士の生活態度や信条というモデルケースから醸成された過程を分かりやすい構成と言葉で読者に伝えている。
1902『どん底』ゴーリキー(露・ソ)
…プロレタリア文学の父。
1905プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』ウェーバー(独)
…プロテスタントの世俗内禁欲が資本主義の「精神」に適合性を持っていたという、逆説的な論理を提出し、近代資本主義の成立を論じた。
1905車輪の下』ヘッセ(独)
…学校と家庭に押しつぶされる少年の内面を描く。
1907『プラグマティズム』ジェームズ(米)
…実用主義。実際に有効なものを真理とする。
1909『狭き門』ジイド(仏)
1912『ジャン・クリストフ』ロマン・ロラン(仏)
…ドイツ人の音楽家の成長をフランスの詩人との交流を通じて描く。
1914 第1次世界大戦
列強の領土・植民地・勢力圏をめぐっての対立から起こった帝国主義戦争。帝国主義国家が二つの陣営に分かれて戦った、人類史上最初の世界大戦。総力戦という戦争の性格や飛行機、潜水艦、毒ガスなど新しい武器が出現し、戦争の形態を一変させた。
1914こころ』夏目漱石(日)
…長編小説。漱石の代表作の一つ。
1915変身』カフカ(チェコ)
…カフカの代表作であり実存主義文学の一つとして知られる。また、アルベール・カミュの「ペスト」とともに代表的な不条理文学としても知られる。カミュの「ペスト」は不条理が集団を襲ったことを描いたが、カフカの「変身」は不条理が個人を襲ったことを描いた。この「変身」における不条理は、主人公の男が、ある朝目覚めると巨大な虫になっていたことであり、男とその家族の顛末が描かれる。
1917 ロシア革命
ロシアで起こった民衆蜂起によってロマノフ朝を倒した革命。ブルジョワ権力である臨時政府を樹立した。世界初の社会主義国家の成立。
1918『西洋の没落』シュペングラー(独)
…第一次世界大戦による欧州の凋落を背景とする。
1921阿Q正伝』魯迅(中)
…魯迅唯一の中編小説である。阿Qという近代中国の一庶民を主人公とした、他に例を見ない物語として注目を集めた。
1922『チボー家の人々』マルタン・デュ・ガール(仏)
…第一次世界大戦期を生きる兄弟の物語。
1924魔の山』トーマス・マン(独)
1925『我が闘争』ヒトラー(独)
…ナチ党指導者のアドルフ・ヒトラーの著作である。第1巻は1925年、第2巻は1926年に出版された。ヒトラーの自伝的要素と政治的世界観 の表明などから構成されている。
1927『西部戦線異常なし』レマルク(独)
…過酷な戦場の現実を告発した反戦文学。
1927『存在と時間』ハイデッガー(独)
…実存主義哲学。現実的・主体的な存在としての人間のあり方を追求。
1928『静かなるドン』ショーロホフ(露・ソ)
…ドン・コサックからみたロシア革命の理想と現実。
1929 世界恐慌
アメリカ発の経済不況。資本主義世界で銀行倒産、失業の連鎖反応から、急激な不況が波及し、その打開を目指す軍国主義・ファシズムを台頭させ、第二次世界大戦がもたらされた。
1929『武器よさらば』ヘミングウェイ(米)
…第一次世界大戦のイタリアを舞台に、アメリカ人のイタリア兵フレデリック・ヘンリーとイギリス人看護婦キャサリン・バークレイとの恋を描く。ヘミングウェイ自身の、イタリア戦線の従軍記者時の体験をもとにしている。
1931大地』パール・バック(米)
…中国の大地に生きる家族の物語。
1933 ナチス政権成立
ドイツの全体主義政党。ヒトラーに率いられてドイツの政権を握り、ユダヤ人に対する絶滅政策などを推し進め、ヨーロッパを第二次世界大戦に巻き込んだ。
1936『風と共に去りぬ』マーガレット・ミッチェル(米)
…南北戦争期の南部が舞台。
1936『雇用・利子および貨幣の一般理論』ケインズ(英)
…世界恐慌による失業の増大に対処。
1937『希望』マルロー(仏)
…スペイン内戦を描く。
1938ホモ・ルーデンス』ホイジンガ(蘭)
…人間活動の本質は「遊ぶこと」にある。
1938『嘔吐』サルトル(仏)
…ル・アーヴルに似た街で、ある絶望した研究者が事物や境遇によって彼自身の自我を定義する能力や理性的・精神的な自由が侵されているという確信に至り、吐き気を感じさせられる様子が描かれている。実存主義における聖典の1つと広く考えられている。
1939 第2次世界大戦
ドイツ軍のポーランド侵攻で開始。連合国(英仏中ソ米)と枢軸国(日独伊)の二陣営による世界戦争。
1939怒りの葡萄』スタインベック(米)
…世界恐慌下の貧農の家族を描く。
1940『誰がために鐘は鳴る』ヘミングウェイ(米)
…スペイン内戦を描く。
1942異邦人』カミュ(仏)
…人間社会に存在する不条理について書かれている。日本語訳としては、新潮文庫版の窪田啓作訳が広く知られ、冒頭1行目の「きょう、ママンが死んだ。」という訳も有名である。
1944『隷属への道』ハイエク(墺)
…中央計画経済が必然的な結果としてもたらされる国民生活全体の隷属について警告する内容であり、同時に個人主義や古典的自由主義の放棄も同じく隷属を招くと主張している。
1945 第2次世界大戦終戦
連合国側の完全な勝利、ファシズム国家の敗北。米ソ二大国の強大化、東西冷戦の開始(1989年まで)、核兵器の登場、国際連合の発足。
1945 冷戦
第二次世界大戦後の世界を二分した西側諸国のアメリカを盟主とする資本主義・自由主義陣営と、東側諸国のソ連を盟主とする共産主義・社会主義陣営との対立構造。1945年から1989年までの44年間続き、アメリカ合衆国とソビエト連邦が軍事力で直接戦う戦争は起こらなかったので、軍事力(火力)で直接戦う「熱戦」「熱い戦争」に対して、「冷戦」「冷たい戦争」と呼ばれた。
1945動物農場』オーウェル(英)
…人間を豚や馬などの動物に見立てることで20世紀前半に台頭した全体主義やスターリン主義への痛烈な批判を寓話的に描いた物語。
1946夜と霧』ヴィクトール・フランクル(オーストリア)
…強制収容所における一心理学者の体験記。
1947アンネの日記』アンネ・フランク(独)
…ユダヤ系ドイツ人の少女アンネ・フランクによる日記様の文学作品。
1947ペスト』カミュ(仏)
…19世紀末の北アフリカ・アルジェリアにおけるペストの流行を題材とした。
19491984年』オーウェル(英)
…全体主義国家によって分割統治された近未来世界の恐怖を描いている。反全体主義、反集産主義のバイブルとなった。また政府による監視や検閲や権威主義を批判する西側諸国の反体制派も、好んでこの小説を引用する。
1951ライ麦畑でつかまえて』サリンジャー(米)
…高校を放校となった17歳の少年ホールデン・コールフィールドがクリスマス前のニューヨークの街をめぐる物語。口語的な文体で社会の欺瞞に対し鬱屈を投げかける内容は時代を超えて若者の共感を呼び、青春小説の古典的名作として世界中で読み継がれている。
1962沈黙の春』カーソン(米)
…DDTを始めとする農薬などの化学物質の危険性を、鳥達が鳴かなくなった春という出来事を通し訴えた作品。環境問題の古典。
1962『資本主義と自由』フリードマン(米)
…ジョン・スチュアート・ミル『自由論』、フリードリッヒ・ハイエク『隷従への道』と並ぶ自由主義(リバタリアニズム)の三大古典の1冊。
1962イワン・デニーソヴィッチの一日』ソルジェニーツィン(ソ)
…主人公であるイワン・デニーソヴィチ・シューホフのラーゲリにおける一日を、克明に淡々と描いた作品。
1964『毛主席語録』毛沢東(中)
…中華人民共和国を建国し、中国共産党中央委員会主席となった毛沢東の著作などから引用、編集された語録。1964年から1974年ぐらいまでのあいだ世界で広く読まれ、当時の政治や文化、学生運動に強い影響を与えた本。鄧小平ら改革派が政権を握ると、中国国内ではオールドファッションなものとなり、懐古的な(とくに文化大革命時の)過去の栄光を現在につたえるものとなっている。
1971『正義論』ロールズ(米)
…政治哲学の著作。ロールズは本書で正義理論を展開することで、それまで停滞していた戦後の政治哲学の議論に貢献した。
1989 ベルリンの壁崩壊
1991 ソビエト連邦崩壊
ソ連の解体に伴い、従来のロシア共和国からロシア連邦に改称し、旧ソ連の国家資産、軍隊、国際的な地位(国連の安全保障理事会常任理事国)を継承した。ロシア連邦はエリツィン大統領の下で、ソ連時代の社会主義体制は全く放棄し、資本主義経済と議会制民主主義国家として新たに出発した。
1997銃・病原菌・鉄』ジャレド・ダイアモンド(米)
…人類の格差を考察。
2001 アメリカ同時多発テロ事件