内容紹介
騎士道物語に夢中になりすぎた郷士とその従者の荒唐無稽な話と思われがちなこの長編古典『ドン・キホーテ』を、ふたりの人間性に焦点をあてて真の面白さを浮き彫りにした画期的な編集。
冒頭・書き出し
それほど昔のことではない。その名は思い出せないが、スペインはラ・マンチャ地方のある村に、槍や古びた盾を部屋に飾り、やせ馬と足のはやい猟犬をそろえた、型どおりの紳士が住んでいた。名言抜粋
世間じゃ、長くつき合ってみねえ...
運命というものは、人をいかなる...
拙者がわが身を誇らないとすれば...
人なみ以上のことをしなければ、...
だれもが一生の終わりに、いやで...
作品について
世界的に名声を得たスペイン語圏による最初の文学者であり、現代に至るまで多大な影響を与えた。同時代人のシェイクスピアは『ドン・キホーテ』を読んでいたと言われる。チャールズ・ディケンズ、ギュスターヴ・フローベール、ハーマン・メルヴィル、フョードル・ドストエフスキー、ジェームズ・ジョイス、ホルヘ・ルイス・ボルヘスらは、影響を受けた作家たちのほんの一部である。