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 | 痴愚神礼賛 エラスムス |
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内容紹介
ルネサンス期の大知識人エラスムスが、友人トマス・モアに捧げた驚天動地の戯文。痴愚の女神なるものを創造し、人間の愚行を完膚なきまでに嘲弄する。...▽ルネサンス期の大知識人エラスムスが、友人トマス・モアに捧げた驚天動地の戯文。痴愚の女神なるものを創造し、人間の愚行を完膚なきまでに嘲弄する。堕落する教界、腐敗を極める世俗権力。当時の社会、人びとを観察し、エラスムスが描き出した痴愚や狂気は、いまなお私たちをとらえてはいないか。ラテン語原典からリズムある新鮮な訳が生まれた。
冒頭・書き出し
人間たちが、世上この私のことをどう評しているか、この上なく愚かな連中の間でさえ、どれほど悪しざまに言われているか、私が知らないわけではありません。...▽冒頭・書き出し
人間たちが、世上この私のことをどう評しているか、この上なく愚かな連中の間でさえ、どれほど悪しざまに言われているか、私が知らないわけではありません。とは申せ、この私が、よろしいですか、この私だけが、わが神意のはたらきで、神々のはたらきで、神々や人間たちの心を浮き立たせているのです。その確かな証拠は、ほれこのとおり、たっぷりとありますよ。
名言抜粋
まじめなことをふざけた調子で論...
人生そのものにもまして、甘美な...
結婚生活がもたらすもろもろの不...
もしも人生から快楽というものを...
人間の生涯というものは、あらゆ...
作品について
『痴愚神礼讃』は、ネーデルランド出身のルネサンス人文主義者デジデリウス・エラスムスのラテン語による諷刺文学である。1509年に執筆され、1511年に初版刊行された...▽作品について
『痴愚神礼讃』は、ネーデルランド出身のルネサンス人文主義者デジデリウス・エラスムスのラテン語による諷刺文学である。
1509年に執筆され、1511年に初版刊行された。
訳題は他に『愚神礼賛』、『痴愚礼賛』などがある。
痴愚の女神モリアー(モリアエ)が聴衆を前に大演説会を開き、聖書伝説やギリシア・ローマの古典からの夥しい引用、縦横に繰り出される警句とともに人間社会の馬鹿馬鹿しさや繰り広げられる愚行を饒舌に風刺するというものである。
痴愚女神は軽妙洒脱な語り口をもって王侯貴族や聖職者・神学者・文法学者・哲学者ら権威者を徹底的にこき下ろし、人間の営為の根底には痴愚の力が働いているのだ、人間は愚かであればこそ幸せなのだ、と自画自賛の長広舌を繰り広げる。
痴愚女神モリアー Moria の名前はギリシア語で「痴愚」「狂気」を意味する語であり、モア More のラテン名モルス Morus から連想されたものである。本書はトマス・モアに捧げられている。
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