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夜と霧

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内容紹介

「言語を絶する感動」と評され、人間の偉大と悲惨をあますところなく描いた本書は、日本をはじめ世界的なロングセラーとして600万を超える読者に読...▽

名言抜粋

収容所暮らしが何年も続き、あちこちたらい回しにされたあげく一ダースもの収容所で過ごしてきた被収容者はおおむね、生存競争のなかで良心を失い、暴力も仲間から物を盗むことも平気になってしまっていた。
そういう者だけが命をつなぐことができたのだ。何千もの幸運な偶然によって、あるいはお望みなら神の奇跡によってと言ってもいいが、とにかく生きて帰ったわたしたちは、みなそのことを知っている。
わたしたちはためらわずに言うことができる。いい人は帰ってこなかった、と。
わたしたちのなかのかなりの良質の人たちでさえ、ふたたびまがりなりにもましな食事ができるときがくれば、と切望したのも無理はない。
それはけっして美食をしたいからではない。そのときがくれば、食べることしか考えられないような、人間としての尊厳にふさわしくない状況がついに終わるからだ。
被収容者はほとんどまったくと言っていいほど、性的な夢をみなかった。他方、精神分析で言う「手の届かないものへのあがき」、つまり全身全霊をこめた愛への憧れその他の情動は、いやというほど夢にでてきた。
そのとき、ある思いがわたしを貫いた。何人もの思想家がその生涯のはてにたどり着いた真実、何人もの詩人がうたいあげた真実が、生まれてはじめて骨身にしみたのだ。
愛は人が人として到達できる究極にして最高のものだ、という真実。
人は、この世にもはやなにも残されていなくても、心の奥底で愛する人の面影に思いをこらせば、ほんのいっときにせよ至福の境地になれるということを、わたしは理解したのだ。
夜と霧
ヴィクトール・フランクル
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