アリストテレースの『詩学』は悲劇の機能・構造を重視し、英雄をわれわれと同じ人間として扱い、神・運命などギリシア文学の伝統的な要素や道徳観を考察の対象から...

内村鑑三は、「代表的日本人」として西郷隆盛・上杉鷹山・二宮尊徳・中江藤樹・日蓮の五人をあげ、その生涯を叙述する。日清戦争の始まった一八九四年に書かれた本...

総ルビつきの原文、中野孝次のわかりやすく、かつ洞察に満ちた現代語訳、そして共鳴する想いを込めた深く真摯な解説が、平家と源氏が争った時代を生きた鴨長明の肉...

古代ローマ第一の学者にして政治家・弁論家キケロー（前106―前43）が人としての生き方を語り、老年を謳い上げた対話篇。84歳になる古代ローマの政治家・文...

「人は幸福になるために生きている」という考えは人間生来の迷妄であると断じる幸福論。自分を他人と比較し、他人の評価をたえず気にすることが不幸の元凶であり、...

すべてを破壊した“九年戦争”の終結後、暴力を排除し、共生・個性・安定をスローガンとする清潔で文明的な世界が形成された。人間は受精卵の段階から選別され、5...

表題の「ユートピア」とは「どこにも無い」という意味のトマス・モア(1478‐1535)の造語である。モアが描き出したこの理想国は自由と規律をかねそなえた...

「源氏物語」とともに王朝女流文学を代表する珠玉の随筆集「枕草子」。清少納言の感性によって描写された機知に溢れる宮廷生活を、現代語訳を読むだけでもダイレク...

楽園のような故郷を追放された若者カンディード。恩師パングロスの「すべては最善である」の教えを胸に、リスボンの大地震、戦乱、盗賊や海賊の襲撃など、度重なる...

「古典の文言なのか、わが言葉なのか、区別がつかないくらいになり、わが生を導く」ようになった『徒然草』からの原文を、中野孝次が選び抜いて“わが徒然草”を作...