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名言で読む名著傑作の集大成 名著全書

オリバー・ツイスト 上 名言と作品紹介

内容紹介

救貧院の孤児として育てられたオリバーは、食べ物も満足にあたえられず、煙突掃除屋や葬儀屋に「貸出」される仕打ちに耐え切れず、9歳のある日そこを抜け出してロンドンへ向かう。オリバーは、道中で出会った少年に...▼

名言抜粋

たいていの人が、自分の困難...
人には眠っているともさめて...
背打や表紙の方が中味よりよ...
かっとなった女には、殊にい...
女ってやつは、ごく手短かに...
男の子であっても、女の子で...
わたしたちはみんな弱い生き...

作品について

話の筋に不自然さが顕著に見られ、主人公であるはずのオリヴァーに特色がなく話に流されていくだけ、などといった欠点があるが、サフロン・ヒルでの泥棒生活といった下層階級の描写はこの作家の得意とするところであり、読者に好意を持って迎えられた。この点、ピカレスク小説の影響も重要である。

テーマとしては、イギリスの新救貧法に対する批判が重要視される。1834年に改正された救貧法は下層階級の反発を招き、作品中のマン夫人やバンブルなどは、下層階級を酷使する中層階級の典型的な例である。しかしディケンズが本質的に批判したのは、制度に従う人物ではなく、その背後にある制度そのものであった。ディケンズの特色として善と悪の区別がはっきりしていることが挙げられるが、この小説では善はオリバー、つまり下層階級の人々で、悪は社会制度と、それを認めている社会風潮であった。この小説の中で、オリヴァーが「もう少し下さい」と粥のお代わりを請う場面が最も有名で、かつ象徴的でもある。

狡猾な盗品売買屋である悪党フェイギンの描かれ方が『ヴェニスの商人』のシャイロックのように偏見に満ちたユダヤ人像で差別的であると批判されてきた。これを受けて、原作では純然とした悪党であるフェイギンが、映像化作品では時代が進むと共に「善良さを併せ持った悪党」に変化していることが多い。
ディケンズ『オリバー・ツイスト 上』新潮文庫
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