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 | 蟹工船 一九二八・三・一五 |
Content
内容紹介
おい地獄さえぐんだで―函館を出港する漁夫の方言に始まる「蟹工船」。小樽署壁に“日本共産党万歳!”と落書きで終わる「三・一五」。小林多喜二のこ...▽おい地獄さえぐんだで―函館を出港する漁夫の方言に始まる「蟹工船」。小樽署壁に“日本共産党万歳!”と落書きで終わる「三・一五」。小林多喜二のこれら二作品は、地方性と党派性にもかかわらず思想評価をこえ、プロレタリア文学の古典となった。搾取と労働、組織と個人…歴史は未だ答えず。
冒頭・書き出し
「おい地獄さ行ぐんだで!」
二人はデッキの手すりに寄りかかって、蝸牛が背のびをしたように延びて、海を抱え込んでいる函館の街を見ていた。ーー漁...▽冒頭・書き出し
「おい地獄さ行ぐんだで!」
二人はデッキの手すりに寄りかかって、蝸牛が背のびをしたように延びて、海を抱え込んでいる函館の街を見ていた。ーー漁夫は指元まで吸いつくした煙草を唾と一緒に捨てた。巻煙草はおどけたように色々にひっくりかえって、高い船腹をすれずれに落ちて行った。彼は身体一杯酒臭かった。
名言抜粋
資本主義がきまりきった所だけの...
今までの日本のどの戦争でも、本...
万国の労働者団結せよ。
労働者と農民の政府を作れ。
日本共産党万歳!
作品について
※物語の核心にふれています。蟹工船とは、戦前にオホーツク海のカムチャツカ半島沖海域で行われた北洋漁業で使用される、漁獲物の加工設備を備えた大型船である。搭載した小...▽作品について
※物語の核心にふれています。
蟹工船とは、戦前にオホーツク海のカムチャツカ半島沖海域で行われた北洋漁業で使用される、漁獲物の加工設備を備えた大型船である。
搭載した小型船でたらば蟹を漁獲し、ただちに母船で蟹を缶詰に加工する。
その母船の一隻である「博光丸」が本作の舞台である。
蟹工船は「工船」であって「航船」ではない。だから航海法は適用されず、危険な老朽船を改造して投入された。
また工場でもないので、労働法規も適用されなかった。
そのため蟹工船は法規の空白域であり、海上の閉鎖空間である船内では、東北一円の貧困層から募集した出稼ぎ労働者に対する資本側の非人道的酷使がまかり通っていた。
また北洋漁業振興の国策から、政府も資本側と結託して事態を黙認する姿勢であった。
情け知らずの監督である浅川は労働者たちを人間扱いせず、彼らは劣悪で過酷な労働環境の中、暴力・虐待・過労や病気で次々と倒れてゆく。
ある時転覆した蟹工船をロシア人が救出したことがきっかけで、労働者達は異国の人も同じ人間と感じるようになり、中国人の通訳も通じ、「プロレタリアートこそ最も尊い存在」と知らされるが、船長がそれを「赤化」とみなす。
学生の一人は現場の環境に比べれば、ドストエフスキーの「死の家の記録」の流刑場はましなほうという。
当初は無自覚だった労働者たちはやがて権利意識に覚醒し、指導者のもとストライキ闘争に踏み切る。
会社側は海軍に無線で鎮圧を要請し、接舷してきた駆逐艦から乗り込んできた水兵にスト指導者たちは逮捕され、最初のストライキは失敗に終わった。
労働者たちは作戦を練り直し、再度のストライキに踏み切る。
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