![]() | フョードル・ドストエフスキー 小説家 | |||||
大事なのは、自分に嘘をつかないことです。自分に嘘をつき、自分の嘘に耳を傾ける人間というのは、自分のなかにもまわりの人間のなかにも、どんな真実も見分けがつかなくなって、ひいては、自分に対しても他人に対しても尊敬の気持ちを失うことになるのです。だれも敬わないとなると、人は愛することをやめ、愛をもたないまま、自分を喜ばせ気持ちをまぎらわそうと、情欲や下品な快楽に耽って、ついには犬畜生にもひとしい悪徳に身を落とすことになるのですが、それというのもすべて、人々や自分に対する絶え間ない嘘から生まれることなのです。 | ||||||
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![]() | 本田宗一郎 実業家 | |||||
世の中で一番素晴らしいものは若者のエネルギーだよ。こりゃあ進歩の原動力だ。社会ってのは常に有為転変するものだ。若い連中はそれに合わせて、ちゃんとやっていけるけど、年寄りはそうはいかない。だもんだから「今の若いものは……」なんて批判する。口で言うだけならまだいいが、伸びる芽まで摘んでしまっちゃ駄目だよね。そうなったら、老害以外の何物でもないからね。そう考えたから、俺は第一線から身を引いたんだ。人間、はじめるよりも終りのほうが大事なんだよ。 | ||||||
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![]() | 安岡正篤 哲学者 | |||||
人に嫌われぬための5か条一、初対面に無心で接すること。有能な人間ほど、とかく慢心や偏見があり、どうしても有心で接する、これはいけない一、批判癖を直し、悪口屋にならぬこと一、努めて、人の美点・良所を見ること一、世の中に隠れて案外善いことが行われているのに平生注意すること一、好悪を問わず、人に誠を尽くすこと。 | ||||||
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![]() | ニッコロ・マキャヴェッリ 思想家 | |||||
過去や現在のことに想いをめぐらせる人は、たとえ国家や民族が違っても、人間というものは同じような欲望に駆られ、同じような性向をもって生きてきたことが分かるだろう。だからこそ、過去の状態を詳しく学ぶものは、現在のことも容易に判断がつき、古の人々の行為を参考にして、対策を立てることもできるのである。また、仮に完全に同じ状態が過去に見出せなかったとしても、本質的には同じなのだから、現在のことへの対し方も、容易に見通しがつくというものである。しかしこの教訓は、往々にして無視されるか、たとえ読んだとしても理解されないか、でなければ為政者に通じないかして、活かされない場合が多い。それゆえ、人類はいつになってもあいも変わらず、同じ醜態を繰り返している訳である。 ―政略論。 | ||||||
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![]() | 池田晶子 哲学者 | |||||
友だちをその数の多さだけで誇れるものではないように、恋愛やセックスも、その数の多さだけで誇れるものではないだろう。だって、口があるなら好きだと言えるし、性器があるなら性交はできる。そんなのは誰にでもできることなんだもの、しょせん動物なんだから。誰にでもできるのではないことは、動物ではない人間にしかできないことは、その人のことを愛することが、自分を愛することである、そういう恋愛をすることだ。自分を愛せる人でなければ、他人を愛することはできないのだったね。恋愛も同じだ。 | ||||||
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![]() | 五木寛之 小説家 | |||||
日本には世界に誇るべき思想がふたつあります。ひとつはSyncretism(シンクレティズム)、神仏混淆という考え方です。仏壇と神棚が同居していても争いにならない。一神教同士の原理主義的な宗教対立が先鋭化して世界の発展を阻害している時代だからこそ、共存思想が輝きを放つのです。もうひとつが、Animism(アニミズム)、山にも川にも、一木一草にも精霊や神が宿るという考え方です。今日の環境問題の根底には西欧的な人間中心主義があります。人間も地球の一員という発想は、アニミズムの根からしか生まれてきません。 | ||||||
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![]() | 洪自誠 作家 | |||||
私は高い地位にあって人が尊敬するのは、外見の立派さからだ。私が低い地位であって人が軽蔑するのは、外見の貧相からだ。そうとすれば、人は見かけを尊敬しているだけなので、どうして喜べるだろう。また、人は見かけで軽蔑しているだけなので、どうして怒れるだろうか。つまり、自分が他人から思われている感情は、所詮は外見や立場が与える幻想で、自分の本性に対してではないので、喜んだり悲しんだり、誇ったり蔑んだりするのはナンセンスということ。言い換えれば、活人は、立派な服装で高給な車に乗るのではなく、立派な服装で高級な車に乗っている人が偉いと下衆な人間には見えるだけだということを知っておけということ。 | ||||||
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![]() | 太宰治 小説家 | |||||
祖先を祭るために生きていなければならないとか、人類の文化を完成させなければならないとか、そんなたいへんな倫理的な義務としてしか僕たちは今まで(死んではいけない理由を)教えられていないのだ。なんの科学的な説明も与えられていないのだ。そんなら僕たちマイナスの人間は皆、死んだほうがいいのだ。死ぬとゼロだよ。 | ||||||
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![]() | スティーブ・ジョブズ 実業家 | |||||
知ってると思いますが、私たちは自分たちの食べる食べ物のほとんどを作ってはいません。私たちは他人の作った服を着て、他人のつくった言葉をしゃべり、他人が創造した数学を使っています。何が言いたいかというと、私たちは常に何かを受け取っているということです。そしてその人間の経験と知識の泉に何かをお返しができるようなものを作るのは、すばらしい気分です。 | ||||||
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![]() | カール・マルクス 哲学者 | |||||
人間が集団で生きてゆくにあたってもっとも肝心なことは、ひとりひとりの人間の柔軟な感性と個性に対応できるようなシステムが保証されていることである。そして同時に大切なのは、社会に対してほとんど「能力」を発揮できない人にも、そういうこととはまったく無関係に、必要とするものが十分に与えられることなのである。 | ||||||
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