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戦後の日本人は、人間関係を典型的にお金に換えてきた。それが保険だ。保険会社がひたすら大きくなったでしょう。いざって時に何を頼むか、今の人は保険だ。昔は「遠くの親戚より近くの他人」と言った。共同体が成立している間は、それこそ「しょうゆねえから貸してくれ」は普通だった。今はそうじゃない。そういうものが全部崩壊して、バラバラになった個人が都会に住んでいる。 | ||||||
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テレビが普及していったときに、ジャーナリスト大宅壮一は「一億総白痴化」と言いました。でも、僕は逆になったと思います。「一億総インテリ化」。テレビが当たり前のものになってから、昔、言われていたインテリの欠点のほうが、社会の表面に出てきてしまったと感じています。つまり、体を使っていない。体を使って働くことをバカにする傾向は強くなっています。僕はそのことがむしろ心配です。 | ||||||
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今の時代は、すく゛に個性た゛、タ゛イハ゛ーシティた゛と言うけれと゛、あれはやめてほしいよね。前提か゛あまりにも違うわけた゛から。僕の言っているリンコ゛か゛、あなたにとってのナシた゛ったら話にならない。 | ||||||
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外国人を受け入れるといってますけど、日本の場合は理想主義じゃなくて実利でやっていますから。逆に追い出すときは追い出すんじゃないかって気がする。理念でぶつかっている場合はまあしょうがないって、かなり許すでしょ。日本の場合は理念じゃない、実用ですから。いらなくなったらテメェら出てけって言いかねないでしょ。 | ||||||
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自己実現などといいますが、自分が何かを実現する場は外部にしか存在しない。より噛み砕いていえば、人生の意味は自分だけで完結するものではなく、常に周囲の人、社会との関係から生まれる。 | ||||||
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そもそもいちばん出来の悪いのがいるってのは、共同体では大切なことなんですよ。ビリがいなくなれば、ビリから二番目がビリになる。ビリの人は、全体に恩恵を与えているんですよ。 | ||||||
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先行き不透明な時代を生きていくには、人間というものを理解しておくことが大切です。たとえ急に社会が変わっても、人間の本質は変わらないのですから。 | ||||||
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僕は山を歩いていて、ばったり人に出くわすとうれしい。でも今は、知らない人がわずらわしかったり怖かったりする時代でしょう? 人間の価値が下がってしまったんですよ。 | ||||||
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都市生活では、「体」が無視され「脳」だけで生きるようになる。文明は脳によって作り出されますから。でもその脳が乗っている「体」は自然そのもの。だから「脳=都市」だけの世界以外に、「体=自然」が主人公になる田舎の生活を織り込んだ方が心身ともに健康になります。 | ||||||
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お国に奉仕するのは当たり前だとこっちは思っている。なんせ我々は特攻隊の時代の人たちだから。命懸けだったから、あの人たちは。だから税金ぐらいで文句言えないなと。 | ||||||
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