![]() | 塩野七生 作家 | |||||
他民族に長く支配された歴史をもつ民族は、 現代人の考え方では しいたげられた民族ということになり、 同情を寄せられるのが当然という感じになっている。 だが、しいたげられた長い歴史をもつということは、 それゆえの精神構造の変化を もたらさずにはおかないという、 現実にも眼を向ける必要がある。 具体的に言えば、 自衛本能が発達せざるをえなかったゆえと思うが、 思考の柔軟性が失われてかたくなになる。 また、何に対してであろうと過敏に反応しやすい。 そして、過酷な現実を生き抜く必要からも夢に頼る。 ユダヤ教では、救世主待望がそれに当たった。 | ||||||
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![]() | 塩野七生 作家 | |||||
有権者ならば誰でも 国政への判断力をそなえていると思うのは、 人間性に対する幻想である。 もしも幻想でなくて現実であるのならば、 プロパガンダの必要はなくなる。 | ||||||
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![]() | 塩野七生 作家 | |||||
失業者とはただ単に、 職を失ったがゆえに生活の手段を失った人々ではない。 社会での自らの存在理由を失った人々なのだ。 (中略) 多くの普通人は、自らの尊厳を、 仕事をすることで維持していく。 ゆえに、人間が人間らしく生きていくために 必要な自分自身に対しての誇りは、 福祉では絶対に回復できない。 職をとりもどしてやることでしか、 回復できないのである。 | ||||||
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![]() | 塩野七生 作家 | |||||
歓待とは、客人が無意識下で 望んでいたものを提供することである。 ただし、それだけでは充分ではない。 客人は満足しても、いつかは飽きるからだ。 ゆえに、客人が無意識下に 望んでいたものを与えつつも、 同時に思いもしなかったものを提供することで、 それにプラス・アルファする必要がある。 | ||||||
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![]() | 塩野七生 作家 | |||||
税金の計算とは、税理士の必要もなく、 小学生でも計算できる程度にとどめておいたほうが、 税制としてはより健全ではないかと思ったりする。 | ||||||
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![]() | 塩野七生 作家 | |||||
カエサルがユダヤ民族の孤立を防ぐ必要を感じたのは、 人道上の理由からではない。 孤立は、過激化の温床であったからにすぎない。 | ||||||
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![]() | 塩野七生 作家 | |||||
周囲に押されて、 というのは一見理想的に見えるが、 乱世で最も成功率の高いのは、 自身で強烈に望んだ場合のほうである。 強い意欲の結果であるからには目標の設定も明確で、 その目標に達するに必要な手段の選択でも、 真剣度がまるでちがってくる。 | ||||||
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![]() | ヴィルヘルム・フォン・フンボルト 言語学者 | |||||
働くことは、食べることや眠ることよりも、人間に必要である。 | ||||||
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![]() | 塩野七生 作家 | |||||
ローマは多神教の世界であって、 一神教の世界ではない。 一神教ならば、 神が正統性を認知するようになっているが、 多神教の世界では人間が認知するのである。 それゆえ、正統性をもってスタートした者も、 人間がわかる形で 実力もそなえていることを示す必要がある。 | ||||||
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![]() | 塩野七生 作家 | |||||
システムとは、衆に優れた力に恵まれた 人のためにあるのではなく、 一般の人々の力に合致し、 その人々の必要性までも 満たすものでなければならない。 それゆえに、創案者個人の能力とは 無関係であるべきで、 実際そうでないと機能できないし、 システムとしても継続性をもてない。 | ||||||
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