![]() | 國分功一郎 哲学者 | |||||
広告は消費者の「個性」を煽り、消費者が消費によって「個性的」になることを求める。消費者は「個性的」でなければならないという強迫観念を抱く。問題はそこで追求される「個性」が一体なんなのか誰にもわからないということである。したがって、「個性」は決して完成しない。つまり、消費によって「個性」を追い求めるとき、人が満足に到達することがない。到達点がないにもかかわらず、どこかに到達することが求めらる。 | ||||||
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![]() | 福沢諭吉 教育者 | |||||
教育家の配慮がどんなに行き届いても、生まれ付きの愚者を知者に変えることはできないのはもちろん、どんなに勉強を勧めても、天賦の能力にない学問や技能を身に付けさせることは、望んでも到底無理である。それぞれの人の遺伝がどういうものであるかを十分観察して、その人の到達可能なところの限界にまで到達させ、その後に大切なことは、これまでの成果を荒らして薪のような人物にしないように、よく注意することである。 | ||||||
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![]() | 福沢諭吉 教育者 | |||||
世間の教育家と称する者たちは、ややもすれば自分の信ずるところに偏りがちで、教育に極端に重きを置き過ぎ、ひたすら勉強勉強と唱えて、勉強さえすれば愚者も変じて知者となるようにはやし立てる者が多い。しかし、実際の教育の効能は、生まれ付き備わっている能力の生育を助けて、よい方向に導き、到達可能なところまで到達させるということだけにある。 | ||||||
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![]() | ジャック・ウェルチ 実業家 | |||||
戦略とは、最初に現時点で自分がどこに位置しているかを知ることが必要だ。自分が前はどこにいたいと思っていたかでも、いるはずだったかでもなく、いまどこにいるかである。次に、五年後の自分の位置を知る。そして最後に、いまの地点から五年後の地点まで到達できるかどうか、現実的にどの程度の可能性があるかを判断することである。 | ||||||
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![]() | 神谷美恵子 医師 | |||||
人間が常に前途に目標をすえ、それにむかって歩いていこうとする生の構造を、いわばひとりでに形成してしまうわけがうなずける。それは何もあの「無償の、無目的のよろこび」と矛盾するものではなかろう。なぜなら、人間はべつに誰からたのまれなくても、いわば自分の好きで、いろいろな目標を立てるが、ほんとうをいうと、その目標が到達されるかどうかは真の問題ではないのではないか。ただそういう生の構造のなかで歩いていることそのことが必要なのではないだろうか。その証拠には一つの目標が達成されてしまうと、無目的の空虚さを恐れるかのように、大急ぎで次の目標を立てる。結局、ひとは無限のかなたにある目標を追っているのだともいえよう。 | ||||||
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![]() | フランシス・ベーコン 哲学者 | |||||
自分に徳性を何ももたない人は、他人の徳性をいつも嫉妬する。というのは人間の心というものは、自分自身の善か他人の不幸かどちらかを食いものにするものだからである。そして、前者を欠いている者は後者を餌食にする。そして。他人の徳性に到達する希望を失う者は、他人の幸運を押えることで対等になろうとするものだろう。 | ||||||
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![]() | 三島由紀夫 小説家 | |||||
戦争が道徳を失はせたといふのは嘘だ。道徳はいつどこにでもころがつてゐる。しかし運動をするものに運動神経が必要とされるやうに、道徳的な神経がなくては道徳はつかまらない。戦争が失はせたのは道徳的神経だ。この神経なしには人は道徳的な行為をすることができぬ。従つてまた真の意味の不徳に到達することもできぬ筈だつた。 | ||||||
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![]() | 太宰治 小説家 | |||||
祖先を祭るために生きていなければならないとか、人類の文化を完成させなければならないとか、そんなたいへんな倫理的な義務としてしか僕たちは今まで(死んではいけない理由を)教えられていないのだ。なんの科学的な説明も与えられていないのだ。そんなら僕たちマイナスの人間は皆、死んだほうがいいのだ。死ぬとゼロだよ。 | ||||||
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![]() | 王陽明 哲学者 | |||||
家屋を建設することにたとえるならば、「道に志す」とは、土地を選び資材をあつめてきりもりして住宅を完成させようといつも意欲を持ちつづけることであり、「徳にもとづく」とは、計画がすべて完成し、生活の根拠ができたことであり、「芸に遊ぶ」とは内装を施して住宅を美しく仕上げることである。詩を朗誦し書物を読み、琴をつまびき射的を習うということなどは、実践主体を調教して道に習熟させる方法である。もしも、道を志向しないで芸にうつつをぬかすようでは、もののわからぬ子供が、先に住居をつくることもしないで、やみくもに絵画を買い込んでは正門に掛けようとするようなもので、いったい、どこにかけようというのかね。 | ||||||
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![]() | 岡本太郎 芸術家 | |||||
未熟ということをプラスの面に突き上げることが人間的であり、素晴らしいことだと思わなければいけない。よく世間一般では完成された人は素晴らしいというが、この世の中には、完成なんてことは存在しないんだ。完成なんてことは他人が勝手にそう思うだけだ。世の中を支配している基準という、意味のない目安で他人が勝手に判断しているだけだ。 | ||||||
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