![]() | プルタルコス |
プルタルコスは、帝政ローマのギリシア人著述家。著作に『対比列伝』などがある。英語名のプルタークでも知られる。 ボイオティアにあるカイロネイアの名門出身。アテナイで数学と自然哲学を学び、ギリシャ本土と小アジアのサルディス、エジプトのアレクサンドリアに赴き、カイロ...▽ |
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それにしても、我々の心に大きな利益を与え、よりよき気質を生んでくれるものとしては、嫉妬を感じないようにする修行が最大のものだろう。 | ||||||
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人からほめてもらいたいために自分をほめる、これは空虚であり、とくにそれが名誉欲ーーしかもそれが場違いな場合はなおのことーーに発していると覚しい時、これはひどく軽蔑される。 | ||||||
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人間は、自分が他人より劣っているのは能力のためではなく運のせいだと思いたがるものなのだ。運のせいということならば、他人がよい運をつかんだのだと考えておけばすむが、能力ということになると、自分に欠けるところがあることになり、劣っている原因は自分自身にあることになるからだ。 | ||||||
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他人に向かって自分のことを何様かのように、有能さをひけらかしてしゃべるのはいやらしいことで、紳士の道にはずれたことだと、誰もが口ではそう言うが、実際には、そう非難する人々ですら、その嫌味から抜け切っている者は多くはない。 | ||||||
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一度芽生えた敵意は憎しみとともに妬みを生み、対抗意識や他人の不幸を喜ぶ気持、それに他人から不幸にされたことを忘れぬ怨みをあとに遺す。そればかりではない。不正に欺瞞に陰謀ーーこういうものは敵に向けられる限りは悪いとも不正とも思われないが、ひとたび生まれてしまうと簡単には拭い去れなくなる。またこういうものは、たとえ敵を相手にしても用いないように注意していないと、用いるのが習慣となって、友人に対してまで用いるようになってしまう。 | ||||||
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万事好調に進んでいる時、王は喜びを隠さない。戯れている時、笑いを隠さない。好意を示そう情をかけてやろうと腹の中で思っているのも隠さない。こわいのは何か秘密ありげな時、顔つきが険しい時、笑いが消えた時、人を近づけない雰囲気がある時、胸に怒りをたくわえている時、憤怒とともに懲罰をたくらんでいる時、妃に対する嫉妬に燃えている時、王子に疑惑をいだいている時、腹心の臣が信じられなくなった時。こういう黒雲があたりを蔽ったら逃げることだ。雷が轟き雷光が閃いて、今は隠れているものが破裂して現れる時、こちらは無傷ではすまないだろう。 | ||||||
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人々は本当に困っている人には金を貸さない。楽に金が使えるようになりたいと思っている人に貸す。そして借りる方では保証人を立て担保を出して、これだけ持っているのだから信用しろと要求する。持っているのだから借りるべきではないのにである。 | ||||||
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