![]() | ジャン・ジャック・ルソー 哲学者 | |||||
良心!良心!神聖な本能、滅びることなき天上の声、無知無能ではあるが知性をもつ自由な存在の確実な案内者、善悪の誤りなき判定者、人間を神と同じような者にしてくれるもの、おんみこそ人間の本性をすぐれたものとし、その行動に道徳性をあたえているのだ。(本書が禁書になり、ルソーがパリ高等法院から有罪判決を受けたのはこの部分である。) | ||||||
|
![]() | ジャン・ジャック・ルソー 哲学者 | |||||
社会とは、拘束、強制、義務がすべてであり、私のように独立独歩の性向をもった者は、たとえ世間と足並みを揃えるためとはいえ、隷属的な状態に甘んじることができないのだ。自由に行動できるぶんには、私は善良であり、善行しかなさない。だが、必要から、または世間との付き合いから、何らかの束縛を感じると、私は反抗的になる。いや、むしろ意地になると言ったほうがいい。 | ||||||
|
![]() | ジャン・ジャック・ルソー 哲学者 | |||||
自分は現在では青年時代のふしだらな生活からかなり遠いところにいると信じている私は、そのふしだらな生活をあえて告白することができる。それに、私をそういう生活から救いだしてくれた人の手は、私が多少恥ずかしい思いをしても、その恩義に対して少なくともいくらかの名誉を捧げるだけのねうちが十分にあるのだ。(中略)若い頃のふしだらな生活によってこそ、人間は退化して、こんにち見られるような人間になっていくのだ。 | ||||||
|
![]() | ジャン・ジャック・ルソー 哲学者 | |||||
誰かの利益が、別の誰かの損失となるのは、よくあることだし、個人の利益と全体の利益は両立しない場合がほとんどだ。そうした場合、どうすればいいのか。目の前の相手の利益を優先させ、そこにいない人間を犠牲にしてもいいのだろうか。誰かが徳をし、誰かが損をする場合、真実を言うべきなのか、それとも、明かさずにおくべきなのだろうか。言うべきか否かの判断は、公益だけを基準にしていいのだろうか。それとも、各人の利益をも配慮すべきなのだろうか。 | ||||||
|
![]() | ジャン・ジャック・ルソー 哲学者 | |||||
父には選択の権利はないし、神からあたえられる家族にえりごのみをする権利はない。子どもはみな同じようにかれの子どもである。どの子にも同じような配慮と愛情をもたなければならない。かたわであろうとなかろうと、虚弱でも丈夫でも、子どもはみな、それを与えてくれる者にたいして責任をもたなければならない預かり物であって、結婚ということは夫婦のあいだに結ばれる契約であると同時に、自然と結ぶ契約でもある。 | ||||||
|
![]() | ジャン・ジャック・ルソー 哲学者 | |||||
人間の心の底には生得的な正義と美徳の原理、すなわち「良心」が経験に先んじてあり、良心が物事の善悪を判断している。善いことを為すことを一切快く感じない人間が果たして存在するだろうか。良心は人間を神と同様の存在に高める。神を敬うのであれば、その外的形式よりも「自分の内なる良心」に従うべきなのだ。人類には国、民族、宗教を超えた普遍的な良心が存在するのだ。 | ||||||
|
![]() | ジャン・ジャック・ルソー 哲学者 | |||||
一家の主人となること、そして、国家を構成する一員になることの意味が分かるまでは、結婚してはならない。私はエミールに市民としての義務や法律等を学ばせるために、ソフィーとの結婚までに2年間という旅行の期間を確保した。旅行を通じて、様々な政府の不徳と、様々な人民の美徳を学ぶことは、読書より格段に意味があるからだ。 | ||||||
|
![]() | ジャン・ジャック・ルソー 哲学者 | |||||
人生は短い、と人々は言っているが、わたしの見るところでは、人々は人生を短くしようと努力しているのだ。(中略)ある者は明日になればと思い、ある者はひと月たてばと思い、またある者は、いまから十年たてば、と思っている。だれひとり今日を生きようとはしない。だれひとり現在に満足しないで、みんな現在の過ぎ去るのがひどく遅いと感じている。 | ||||||
|
![]() | ジャン・ジャック・ルソー 哲学者 | |||||
この世のすべては絶えざる流れのなかにある。同じ形のまま、不動のままでいられるものはない。自分以外の事物に執着する私たちの心も、それらの事物と同じように移り変わっていかざるをえない。自分以外の事物は、常に私たちの前となり、後になり、もうすでに存在しない過去を思い出させたり、実際にそうなるとは限らない未来を見せてくれたりする。だが、そこに心の拠り所になるような確かなものはない。この世にいる限り、儚い喜びしか味わうことができないのだ。 | ||||||
|
![]() | ジャン・ジャック・ルソー 哲学者 | |||||
この世で幸せになろうとあれこれ画策してもすべては幻想でしかない。ちょっとでも充足感があれば、それでよしとしよう。過ちによって幸福を遠ざけることのないように気をつけよう。だが、幸福をつなぎとめようとするのはやめよう。そんな画策はまったく馬鹿げている。幸せな人間というのはほとんど見たことがない。いや、ただのひとりも存在しないのかもしれない。いっぽう、充足している人ならけっこう見かけるものだ。 | ||||||
|