エピクテトスは、古代ギリシアのストア派の哲学者。その『語録』と『提要』は、すべてのストア哲学のテキストの中でおそらくもっとも広く読まれ、影響力の大きなものであるといわれる。苦難の中にあって平静を保つことや、人類の平等を説いたその教えは、皇帝マルクス・アウレリウエピクテトスは、古代ギリシアのストア派の哲学者。その『語録』と『提要』は、すべてのストア哲学のテキストの中でおそらくもっとも広く読まれ、影響力の大きなものであるといわれる。苦難の中にあって平静を保つことや、人類の平等を説いたその教えは、皇帝マルクス・アウレリウスの思想にも引き継がれており、 ストア主義の歴史上重要な意味を持つとみなされている。 エピクテトスは西暦50年ごろにフリギアのヒエラポリスで生まれたと考えられている。母親は奴隷階級だったらしく、自身も奴隷としてローマ帝国の皇帝ネロの解放奴隷であるエパプロディートスに売られた。ローマでは彼の生活は不健康だったという。有名なストア哲学者ムソニウス・ルーフスの下で哲学を学ぶことをエパプロディートスに許され、ストア哲学を学んだ後、エパプロディートスによって奴隷から解放された。自由人となったエピクテトスは哲学の教師となったが、89年に皇帝ドミティアヌスが出した哲学者のイタリアからの追放令のためにローマを離れ、ギリシア東部のエピルスの大都市ニコポリスに落ち着いて哲学の学校を開いた。これはきわめて有名になり、皇帝ハドリアヌスも訪問したほどであった。エピクテトスは短い旅行を除き135年ごろに死ぬまでニコ … ...▽ |