歴史小説
ユリウス・カエサルが暗殺されてから十五年。彼の養子オクタヴィアヌスは、養父の遺志に逆らうように共和政への復帰を宣言する。これに感謝した元老院は「アウグス... |
「帝政」の名を口にせず、しかし着実に帝政をローマに浸透させていくアウグストゥス。彼の頭にあったのは、広大な版図に平和をもたらすためのリーダーシップの確立... |
ローマ世界に平和をもたらし、繁栄の礎を築いたアウグストゥスを、人々は「国家の父」と呼ぶようになる。しかしその彼にも大きな悩みがあった。後継者を誰にするか... |
帝政を構築した初代皇帝アウグストゥス。その後に続いた、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロの四皇帝は、庶民からは痛罵を浴び、タキトゥスをはじめと... |
二代皇帝ティベリウスは、後もカプリからローマ帝国を統治し続け、皇帝としての職責を完璧に全うした。国体は盤石となり、それを受け継いだ幸運な皇帝が、カリグラ... |
50歳まで歴史家として生きてきたクラウディウスは、突然のカリグラの死により、帝位を継承することになった。カリグラは、わずか4年の在位の間に、健全だった財... |
紀元54年、皇帝クラウディウスは妻アグリッピーナの野望の犠牲となり死亡。養子ネロがわずか16歳で皇帝となる。後に「国家の敵」と断罪される、ローマ帝国史上... |